15人飾りの並べ方を例に、雛人形の道具についてご紹介します。(横の写真は芙蓉雛15人揃です。)
三段目は楽人もしくは五人囃子で、お道具がありませんので、四段目に並べるお道具をご紹介します。
この段には、武家の婚礼道具をミニュチュア化したものが並びます。
江戸時代、大名の婚礼には、通例、婚礼調度と同じデザインの雛道具が調えられました。
従ってその製作には大変に手がかけられ、大名家などでは、女の子が生まれると、すぐさま雛道具の準備に取り掛かったとも言われています。
泰平の続く中、華やかな世界にあこがれた一般の人々も、これにならい、競って美しい雛道具を求めるようになりました。
そのため、雛道具の細工にもいっそう拍車がかかり、あまりの過熱ぶりに幕府が禁令を出したほどでした。
箪笥(たんす)
昔は箪笥も婚礼家具の一つでした。
女の子が生まれると桐の木を植え、嫁入りの際にその桐で箪笥を作る…なんていう風習もありました。
長持(ながもち)
布団や衣服を入れた長方形の箱です。
実際の長持ちは、人が入れるくらい大きなものです。
上に鋏箱が乗ります。
鋏箱(はさみばこ)
名前から鋏を入れる箱と思われるかもしれませんが、「挟み箱」とも言い、外出時の物入れです。
担ぎ棒の両端に1つずつ箱を通して持ち運びました。
二個一組になっています。
通常、長持の上に乗せて飾ります。
重箱(じゅうばこ)
食べ物を入れる箱型の容器です。
今でも、お正月のお節などでお馴染みですね。
鏡台(きょうだい)
婚礼家具の代表的家具ですね。
住宅事情の関係で、現代ではあまり見かけなくなりましたが…。
針箱(はりばこ)
針や糸、はさみ等の裁縫道具一式を収納する箱です。
こちらも現代では見る事がなくなりましたね。
火鉢(ひばち)
灰の中に炭を入れ、手をかざして温める昔の暖房器具です。
体を温める他、お湯を沸かしたり、お餅を焼いたりするのにも用いられました。
2個1セットになっています。
台子(だいす)
茶道具と、それを入れる棚のセットです。
※何段目にどのお道具を置くかはセット、段数等により異なります。