雛人形コラム 桃の節句を祝う雛人形(3)

現代の雛人形スタイル

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今ではどこの家でも、女の子が誕生すると初節句のお祝いに雛人形を揃えるようです。
そのため、お正月も過ぎると、デパートや専門店にはいっせいに雛人形が飾られ、誰もがその美しい人形を観賞することができます。

もっともオーソドックスなスタイルは、緋毛氈の段飾りに親王雛、三人官女、五人囃子、随身、仕丁が並ぶ「十五人飾り」です。
この段飾りの前で家族や親類、友人が集まってお祝いのご馳走を食べるのはいかにも「桃の節句」らしい華やぎがありますが、最近では住宅事情を考えるとこのような祝い方は少なくなりました。
段飾りは大きすぎると言うことで、コンパクトなスタイルに人気が集まっています。

ひとつは人形そのものをぐっと小さくして十五人飾りをガラスのケースにまとめたケース雛。床の間や家具の上における手軽さや、ミニ雛の愛らしさが人気です。


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ほかに、スペースはないけれども人形の豪華さ、格調高さが感じられるものを、という要望から生まれた親王飾りがあります。
親王雛二体なので、人形自体は段飾りのものより大きめのものも多く、衣裳も豪華ということで、現代ではこの親王雛が圧倒的な人気を誇っています。
家は狭いけれど、いいものをという本物志向の表れでもありましょう。

この親王雛は段飾りの様な派手さはありませんが、緋毛氈や畳の台座を用意したり、ぼんぼりやお供えを飾ったりすることで、とても立派な飾りになります。

また、もう一つの利点は、少しずつ人形を買い揃えて将来立派な段飾りにできるということです。最初にセットで揃えなくても大きさや衣裳の格式などを揃えれば、あとから立派なセットが作れます。
毎年少しずつ、お人形を増やしていく…、そんな雛祭りの楽しみ方もいいものです。


出典

初めての木目込み人形〜雅やかな人形作りの手順を写真で解説(成美堂出版)
著者:二世 金林真多呂(真多呂人形学院)

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