在原業平

在原業平(ありはらのなりひら825年〜880年)は、平安時代初期の歌人で、六歌仙の一人。
容姿端麗でプレイボーイであったそうです。

また、伊勢物語の主人公であるとも言われています。

真多呂人形では、「業平」という人形を作っています。

在原業平が文官の装束を着て烏帽子をかぶり、弓を持っている人形です。
高さが37cmありますので、とても存在感があります。
お顔は雛人形のような顔をしています。

インターネット上では販売していませんので、興味のある方は、『古今浮世人形のパンフレット』をご請求下さい。

在原業平の歌は百人一首にも入っていますし、古今和歌集には30首収められています。
どんな歌を詠んでいたのでしょうか。

「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
唐紅に 水くくるとは」(百人一首)

神々の時代にも聞いたことがない。このように綺麗に、竜田川の水が唐紅にくくり染められてしまうとは。

  • 「ちはやぶる」…「神」を導く枕詞。
  • 「水くくる」…水を括り染めにする。括り染めは、布を所々糸でくくって模様をつくる染色法。

奈良県に流れる竜田川は、今でも紅葉の名所として観光スポットになっているようです。
今年の秋は紅葉狩りに出かけてみてはどうでしょうか。

「月やあらぬ 春やむかしの 春ならぬ 
我が身ひとつは もとの身にして」(古今和歌集)

月は昔の月ではないのか、春は昔の春ではないのか、私一人だけは、元の身のままであるのに。

  • 「月やあらぬ」…月やむかしの月ならぬの意。

月も春も変わってしまうのだろうか、自分は元のままであるのに。という歌です。
周りのものは変わってしまったのに、詠み人の時が過去で止まっている悲しさを詠んだ歌です。

次回は在原業平が主人公であるとされている、伊勢物語を取り上げたいと思います。
是非、見に来てください!