平安時代の恋の歌・・・。

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頭中将

式子内親王は平安時代の皇女。
後白河天皇の第三皇女です。

彼女の歌は『新古今和歌集』に数多く入集していて、この時代の代表的な女流歌人とされています。

あの百人一首にも、式子内親王の歌があるのでご紹介いたします!


  玉の緒よ
  絶えなば絶えね ながらへば
  忍ぶることの 弱りもぞする

この歌は、彼女に歌を教えた「藤原定家」を思って詠んだ歌だといわれています。
歌の意味は次の通りです。

私の命よ、絶えることなら早く絶えてほしい。
このまま生きながらえていると、耐え忍んでいる私の心も弱くなり、秘めている思いが人に知られてしまうことになろうから。

なんとも熱い思い・・・。
心の内に秘めた恋の激情を世間に知られないように歌に込めたのですね。
かなりインパクトのある歌だと思います!

そんな歌を詠んだとは思えないほどの、優雅な人形キット『式子内親王』がこちら。

「重ね」という技法を使った、立体感のある仕上がりになるキットです。
「おすべらかし」といわれる長い髪は、平安時代の女性たちのお洒落に対するこだわりが感じられます。
眉は平安時代の宮廷貴族そのままに、丸いぼかしの入った優しい眉としました。

おだやかな表情とは裏腹に、強い思いを秘めた式子内親王。
今回ご紹介した歌を知っていると、少し切ない表情をしているようにも見えます。

木目込み人形は、見方によって多くの表情を見せてくれます。
式子内親王はたくさんの歌を残しているので、もっともっとお楽しみいただけるかと思います。